バベル
今日は、昨日残した北川本家の「富翁 大吟醸純米 吟の司」を飲んだ。
もちろんグラスは福光屋の「KAGURAグラス」を使ったのだが、残念ながら、一日置いてしまったために、味自体はまろやかさとコクが増したものの、香りは若干飛んでしまっていた・・・
そこで、日本酒ではないが、「特選 塔牌 紹興酒 花彫(陳8年)」を飲んでみたところ、チョコレートのような甘い香りが立ち上り、以前の飲んだ時よりもずっと美味しく飲むことができた。やはりこのグラス使えるかも!
「バベル」(06年、米国)を見た。
日本人女優の菊池凛子がアカデミー賞にノミネートされ、話題となった作品だ。
非常に難しい作品だった。一人の日本人がモロッコに残してきた1丁の銃によって、モロッコ、メキシコという2つの国で連鎖反応的に悲劇が発生する。
誰にも悪意はないのに、ほんのちょっとした出来事によって、いくつもの生命が危機にさらされ、何人もの人々が不幸に陥れられる。
この映画のコンセプトは「再生への希望の物語」ということだが、私には完全にそして単純に銃社会の問題や悲惨さを描いた映画に映った。
この映画で、最終的に死んでしまうのは、最も罪のなさそうな一人の少年だけとしているところに、監督の優しさと中途半端さが窺える。銃社会の悲惨さを描くのであれば、奇跡的な救出の連鎖を見せるのではなく、最後までリアリティを追及して欲しかった。もっとも、そんな映画誰も見ないのかもしれないが・・・
日本における菊池凛子の生活シーンは、メキシコとモロッコで繰り広げられる非日常的なシーンに比べると、聾唖者という面での悲しみはあるものの、あまりにも普通で、幸せボケした日本を見事に表しており、なんのためにこんなに頻繁に織り込まれているのだろうかと思った。しかし、そんな思いも、役所広司の最後の一言で、霧が晴れるように1本に繋がる。
モロッコ、メキシコで悲惨なできごとの原因となった銃は、そのずっと以前に日本において、一つの家庭を破壊し、一人の少女の人格に大きな影響を及ぼしていたのだ・・・
たった1丁の銃ですら、世界中でこれだけの大きな悲劇を巻き起こす、、、それでは、世界中の全ての銃や戦争兵器を合わせれば一体どれだけの悲劇が生み出されるというのか。。。そんなことをこの映画は力強く訴えている。
多くの兵器によって、地球を何回でも滅ぼすことができるほどの力を手に入れた人類は、まさにバベルの塔に近づきすぎて神の怒りをかった人々の姿に重なって見える。。。
生々しいまでにリアルな映像と、テーマと一体となったストーリー、しょっちゅう場面が入れ替わるために、一瞬たりとも目を離せない面白い映画であったと思う。
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